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2004年08月31日(火)
スターリング・エンジンは売れるか?

 月末である。とても慌しい。
 台風は、風が強くなったと思ったら、しばらくして去ってしまったようだ。特に雨も降らず風が強いだけだったので、町中では特に被害もなく通りすぎた。今年は強い台風がそばを通る割りには被害がなかったが、まだまだ油断は出来ない。

 さて、シャープが来年、新型の冷蔵庫を出す予定だという。
 今さら冷蔵庫で何が新型なのかというと、これが実はスターリング・エンジンを利用するというから驚きである。
 今回冷蔵庫へ使用するに当たり、スターリング・エンジンをモーターで回して、気体の圧縮膨張による冷却効果を利用するらしい。要は通常の反対の働きをさせる訳だ。もちろんこれでも従来型に比べれば効率は非常に良くなるので、環境にも優しいという事を売りにできる。
 ただ問題は、どんなジャンルであっても商業ベースでスターリング・エンジンを利用しているメーカーがないので、本当に冷蔵庫に利用できるパワーとサイズの心臓部を作れるのか、そして本当に価格は現行機と同じ程度にできるのか、というところだろう。
 いずれにせよ、こういう物を実用化させようとする日本のメーカーは、基本的には素晴らしいと思う。
 現在そこそこ名の通ったメーカーは、安かろう悪かろうという製品は作らない。評判を落とすのは、雪印や三菱のように、人間側の驕りが原因であり、やはり日本の製品自体は優秀なのである。

 優秀と言えば、レーザーによるレコードプレイヤーをELP(エルプと読む)というメーカーが販売している。
 レコード針を使用しない非接触型プレイヤーであり、レーザーによる溝のトラッキング能力は、針などとうてい及ばないレベルなのだという。NHKのドキュメンタリーを見ていると、貴重なレコードはこれで再生しているのが判る。
 とにかく能力的には非常に素晴らしい物なのだが、いかんせん大量生産していないので、なかなか価格がこなれない。発売当初から存在は知っていたが、最初は300万以上したし、現在でも135万が一番安いモデルだから、とうてい買える物ではない。

 なぜ大量生産していないのかというと、賛同するメーカーがないからなのだそうだ。いくら営業で説得しようとしても、一緒に作ろうというメーカーがないのだという。
 これに飛びつくメーカーがなかったというのは不思議なのだが、例えばパイオニアあたりだと、かなりいい物を作れたのではないのだろうか。LDプレイヤーを開発普及させるだけの体力があったのだから、なぜその頃製造に着手しなかったのだろう。この機械とLDプレイヤーは、同じ頃に生まれたのだ(私は密かに、LDとLPのコンパチ機が出るのでは、と期待したものだ)。
 まあ当時の世の中はそれほどCDに傾倒し、レコードは絶滅品種と思われたのかもしれないが、今でもレコードは健在である。去年などビートルズのLPが久々に発売されたくらいだ(もちろん「アビィロード」は買ったが)。私だって700枚以上持っているLPは捨てられない。愛着があるし、未だにCDになっていないものも、少ないが存在する。

 とにかくこのプレイヤーは、多少の無理をしてでも買う価値がある。だがやはり50万を切ってくれないと、私のような「価値は判るが貧乏」という人種にはとうてい買えない。50万を切れば、ローンを組んででも手に入れたいのだが…。


2004年08月30日(月) やっぱりカメラは安くない

 昨日、カメラが二台とも壊れたと書いたが、次の日曜は三沢の航空祭ではないか。これにはまいった。せっかく航空祭に行ってもカメラがないのでは、意味がほとんどない(もちろん私にとって、である)。

 とにかく、ちょっとカメラ屋にEOS7sの値段を調べに行く。
 結局、一番安い所で83,000円(ボディのみ)である。高いがネットではローンを組めない。このとき店員とちょっと話をしたが、「55から7sへの変更では、あまりメリットがないのでは」と言われた。いや、それは確かにそうなのだ。素晴らしいという程のメリットはないのが実情だ。
 だが、細かいところで55は使いにくい。AFエリアの変更がスムーズではないとか、液晶のバックライトがないとか、メインフレームがプラなので強度が不安とか、ファインダーが覗きにくいとか、とにかく細かいところで色々ある。これが630だと基本的には不満がないのである。

 ただし630には、二つだけ大きな不満がある。今の目で見るとAFスピードが遅い事と、露出インジケーターが付いていない事だ。AFスピードは、色々と使ったのでなおさら遅く感じてしまうし、露出インジケーターは、露出を確認するときの指標として使えるので、ないと不便である。それ以外の不満はないだけに惜しまれる。
 そしてカメラというのは、細かい部分で不満があると、愛着が湧かないものなのである。

 ちなみに9月末に出る予定のEOS20Dは183,000円だそうだ。もちろんボディだけの価格である。デジタル一眼とは言え、やはり安くはない。そして防塵対策も特にないようだし、やはりあと2年は様子見になりそうだ。

 しかしそこに行く前に町中のカメラ店にも寄ったのだが、なんだか全然売る気がないように感じた。そもそも目の前に現物があるのにも関わらず、価格が判らないという。どうなっているのだ。思わず「また来ますから」と言ったが、二度と行かないだろう。
 これだから以前は繁華街と言われたかも知れないが、皆去っていくのだよ。

 さて。
 ようやくオリンピックも終わり、ニュースも通常に戻りつつある。
 久々に見た感じがするジェンキンス氏の問題は、前にも書いたが予定通り司法取引により不名誉除隊という形で決着がつきそうだ。もう本当に計画どおりに進んでいる。まあ彼に関しては、米軍もその位やったっていいだろう。すべての脱走兵が厳罰に処された訳ではないのだから。
 しかし私のようなシロートに看破されるくらい予定通りに事が運ぶとは、別の意味で驚いてしまう。

 驚きついでに。
 ロシアには財務警察という組織があるのだが、これがなんと武装組織なのだという。もちろん警察と名乗るくらいだから、銃程度を持っているのは判るが、ロケットランチャーまで持っているというから、ちょっとした軍隊だ。流石はロシアである。
 これで反プーチン(または親エリツィン)の会社を実力で取り締まり、税金を搾り取っているという訳だ。
 と思っていたらイタリアにもあるらしく、こちらはなぜか難民や違法入国者も取り締まっているのだという。しかも山間部で、である。
 世の中、結構不思議な組織があるものだ。

 明日は超大型の台風が再接近するという。どこまで勢力が弱まるかが焦点だが、いずれ大変な事に変わりはない。朝から大荒れだと会社に行きたくないなぁ。


2004年08月29日(日) 悪い事もある、良い事もある

 子どんぐりは早く学校に行くため、5時50分起き。昨日に続いて、いつもより早いではないか。

 運動会が始まって様子を見に行ったが、徒競走を見ていると、どうも彼は短距離タイプらしい。200メートルは前半早いのだか、後半が弱く、結局2位であった(もちろんグループ毎の、である)。
 しかし中学生ともなると、そろそろ運動会を嫌がる子も出てくるもので、実際ふてくされた顔をした子も多かったのだが、子どんぐりはまだ運動会を楽しんでいるようだ。
 まあ来年はどうなるか判らないが、とりあえず楽しめるうちは楽しんでやった方がいい。
 しかし風が強く、校庭のホコリが凄かったぞ。

 で、夕方になって、安比に行った時のと一緒に現像に出したのだが、受け取りに行くと、妙に値段が安い。変だと思ったら、プリントの数が少ないのである。
 早速ネガ・フィルムを確認すると数枚分抜けて数枚写り、また数枚分抜けて…、という繰り返しである。物によっては上半分が黒く潰れていたり、下半分が潰れていたりと、もう完全にシャッター幕のタイミングがずれているのである。
 今回はEOS630を引っ張り出して撮ったのだが、3年くらい前にはちゃんと機能していたのに、不思議である。

 という訳でEOS55ばかりか630もおかしくなってしまった訳だ。630には特に愛着があるのになぁ。
 そろそろデジタルにしたいので、とりあえずEOS20Dとα-7デジタルの様子を見てから、と考えていたのだが、こうなると悠長にデジカメを吟味している場合ではない。
 今日のような強風下での運動会というロケーションではホコリ対策が必要だが、今のところデジタル一眼でこれをクリアしているのはE-1だけであり、あと1年はニコンもキャノンも未対策であろうから、やはり今は銀塩カメラを買っておくしかなかろう。そして同時にフィルム・スキャナーを買うというのも手ではある。

 となると、現在自分の力量にあっていて10万以下の銀塩カメラは、キャノンのEOS7s、ニコンのF80S、ミノルタのα7あたりだが、レンズを別に買うのもきついので、選択肢は「EOS7s」しかない事になる。
 本体のみで7万円だが、それでもデジタルの半分以下だし…。
 そして何か参考になる記事はないかと過去のカメラ雑誌を見ていたら、去年あたりから載っている記事がほとんどデジタルばかりである。まあそんな時代になったという事だ。

 そんながっかりした一日だったが、立て続けに宅配便が来る。
 まずは注文していた本、「The Complete Book of Gerry Anderson's UFO」が届く。内容的にはそう目新しい物ではないのだが、エピソード毎に見所が書いてあるのは便利である。ただし英語を読めないから苦労するが…。
 そして夜にはJemさんから、福島美術館で行われたアータ・オブ・スター・ウォーズ展のカタログである。
 送るよ、と言われていたがこんなに立派な物だったは、驚きである。パラパラと見ていると、1978年の公開後、日本橋の丸善や銀座のイエナ、新宿の紀伊国屋等々、あちこち走り回って少しずつ資料を集めていた頃を思い出してしまう。やはり私は映画のガジェットという物に、とても心惹かれるものがあるのだ。
 とにかくこういう催し物に、物理的に行けなかったりするから、とてもありがたいのであった。


2004年08月28日(土) 本屋巡り

 子どんぐりは、今日も運動会の総練習だとかで、早くから学校へ行く。
 しかしここ一週間、ほとんど運動会の練習ばかりではないか。自分の中学の頃って、そんなに「練習」した記憶はないぞ(記憶がないだけだったりして)。そもそも中学にもなって、なぜそんなに総練習が必要なんだ? 週5日制に移行してからというもの、勉強時間もろくにないのだが…。

 それはともかく、そろそろ月末の雑誌ラッシュなので、本屋を覗いてみる。
 ここ数日、何故かホビージャパンが見つからないと思ったら、今月からリニューアルでサイズが変わって(なぜかA4だ)付録付きになっていた。これでは見落としてしまう訳だ。人間の習慣はそう簡単に変わらないのである。
 ちなみにここの同じ出版物であるアームズマガジンは、しばらく前にこの版型に変わってからというもの、とてつもなくつまらなくなってしまった。ホビージャパンの方は大丈夫なのだろうか。

 しかし最近は付録付きの雑誌が増えたが、これが田舎の本屋では非常に困る。なぜなら本誌と付録を一緒にして縛ってあるから、立ち読みが出来ないのである。もちろん都市部の大きな書店なら、立ち読みできるようにサンプルを置いてあったりするが、小部数しか扱わない田舎では、そんな事はあまりやってくれない。付録が欲しい人ならともかく、そうでない人はさっさと諦めるしかないのである。
 
 仕方がないので、モデル・グラフィックスを立ち読みしたら、次のコナミのSFムービー・セレクションは、「宇宙空母ギャラクティカ」らしい。これもちょっとくすぐられる。こんなのも出せるのだから、早いところ「2001年宇宙の旅」をなんとかしてほしいものだ。
 多分企画は出ているのだろうが、版権問題が複雑なのは容易に想像がつく。だが、かってキング・レコードがユーロロック・シリーズを出した時は、版権問題をクリアするために、大変な努力と時間を費やしたものである。今のコナミなら、それを行うだけの体力があるのだから、期待してしまうのである。

 それといよいよ押井監督のメカフィリアが出るらしい。随分と時間がかかったものだ。出るというアナウンスから一年以上待ったような気がするのだが。
 同時にイッツ・サンダーバード・センチュリーが再販されるのだが、またも新規のページが追加されたので、これも買わないといけない。だが実は今度で再々販なのである。前回も一部改定されていたから買ったので、今度で三冊目となるのだった。
 まったくあくどい商売してるよ。
 そしてKCが書き込んでいた漫画は見当たらなかったし、朝日新聞社の「カラシニコフ」もない。後者はネット上でも品薄のようだが、何故そんなに売れる?

 夕方、修羅雪姫とブラッディ・マロリー、SAOMURAIのテーマ曲を、サウンドエンジンで短くしてみる。
 これは川井憲次氏の曲なのだが、映画の画面に合わせているため、車で聴く音楽としては余計な部分もかなりある。それを各々何箇所かカットして、全体のテンポアップを図ってみたのである。
 これがかなり面白い。表示されている波形を拡大すると、カットするのも簡単である。結局必要なのは、カットした前後の部分を曲として違和感なく繋げるためのセンスである。やはりここはあとワンフレーズ切った方が良かったとか、あるいはその反対とか、結構難しい。
 テクニック的には簡単なので、やはりセンスがものをいうのだ。これがないから、試行錯誤が延々繰り返される事になるのであった。

 さて、明日の子どんぐり、朝は6時40分までに学校へ行くらしい。これまた自分の中学の頃は、そんな時間に行った記憶はない。はて…。


2004年08月27日(金) 原油価格高騰?

 いつも使っているスタンドから、来週からガソリンの価格がリッターあたり5円上がるとの通知が来た。
 私の町のガソリン価格は、大きな声で言いたいがカルテルになっているので、一斉に同じ幅で値段が動くのである。だから東北の他の地区に比べて、価格が異様に高い。ただし今回は原油価格が上がるからという事で、日本中軒並み値上がりするため、仕方が無いと言う雰囲気になっている。
 だが実際問題として、原油価格はそれほど値上がりしていないのだが、みんな判っているのだろうか。

 そもそも国内における原油価格というのは、大手製油会社が原油を買い取る時に長期取引契約を結んで決めるのだが、その時に「ある時期の先物取引価格の何割」という価格協定を結ぶ。当然、公表されるのは実際に輸入された時の価格である。
 そして今、異様に値上がりしているのはこの先物取引の価格が反映された結果なのである。

 何度も書いているが、先物取引の価格は原油の価格とは直接関係がない事が多い。あくまで投機筋が決めるのである。だから実際の原油価格ではなく、アメリカ国内の事情、単純な投機筋の仕掛け等で簡単に上下する。
 今回は産油国が生産調整をしている訳でもないし、世界各地で原油が不足している訳でもないから、値上がりの原因は、純粋に投機なのである。
 そしてアメリカでは、大手証券会社が商品取引と株取引を同時に行っているため、さらに商品取引は行いやすくなっているから、どんどん上がっているという訳である。

 物が余っているのに価格が上がるというのも困ったものであるが、それが先物取引の恐ろしさなのである。だから価格は急上昇しているが、いずれ急に下降するのは目に見えている。そこで億単位で大損する人も大量に出てくるという訳だ。

 しかしここでふと思い出した事がある。
 数ヶ月前に先物取引の勧誘電話が大量にかかってきた中で、最低取引価格が一千万円から、という某大手からの電話もあった。親会社とは商品の仕入れで取引がある会社だったので、こちらに金がない事はすぐに判ったらしく、おとなしく引き下がっていったのだが、この時に電話の相手は「もう少しすると、原油価格が急騰するので見ていてください」と言っていたのである。
 なるほど、今回の原油価格高騰は、明らかに投機筋の仕組んだ仕手戦だったという訳だ。恐ろしいねぇ。
 そしてそれで一部の人間が儲かる訳だが、その代償として一般国民が利用する石油製品の価格が値上がりするのである。
 つまりグローバルで見れば、収支のバランスはキチンととれているという事だ。


2004年08月26日(木) 劇場版サンダーバード

 郊外のシネコンは、木曜日がメンズ・デーなので千円である。
 という訳で、今週で終わる「サンダーバード」を観てきた。これなら万が一つまらなくても、まあ話題提供代という事で諦めもつく。
 冒頭、字幕は戸田の奈っちゃんと出たので非常に不安になってしまったが、まあ始まってしまったものは仕方がない。

 しかし意外と良くできていた。もちろんファミリー映画として、という意味ではあるが、とにかくあまりダレたところもなく、そこそこ楽しめた。
 オープニング・タイトルは、まるで60年代のようなイラストが、オリジナルのテーマ曲をアレンジした曲に乗っててきぱき動くので、ここはかなり気に入った。やはり腐ってもイギリスである。
 そして全体も極端に派手なシーンは無く、ハリウッドのように誇大広告的アクション・シーンは少ない。これが全体のトーンを落ち着かせているのだ。
 だがこのトーン、おそらくアメリカでは受けないだろう。スタッフもアメリカのヒットなど考えない方がいいのに。むしろイギリス、日本を相手に作れば、自ずとヨーロッパやアジアでそれなりにヒットする作品が作れるはずなのである。
 人種のサラダといわれるアメリカでヒットさせるのは、金もかかるし難しい。そして出来たヒット作は大抵が凡作なのである。

 ところで日本では、公開前から実写に対する懐疑論が多かったが、元々今回の映画に関して、人形劇である必要性はないと思っていた。映画なのだから、監督のフォーマットにあった撮影方法をとればいいだけなのである。
 むしろ当初から心配していたのは、メカの演出なのだが、これがまったくない。どうしてかと考えるに、今回の映画版は、トレーシー一家の物語というのがメインなので、当然メカ描写は少なくなったのだろう。
 そして、オリジナルのテレビ・シリーズが毎回「30分で一話完結」というパターンだったら、当時の映画版もたぶんこうなっていたのだと思う。

 つまり元々の番組は、30分の企画で脚本を作り撮影に入っていたのに、いきなり60分物に変更になったので、演出で時間を増やすしかなかったのだ。だからメカの執拗なまでの描写が必要だったのである。もちろん当時のスタッフがそういうセンスがあったから出来たのではあるが、必要に迫られた苦肉の策だったのは事実である。あの時のテレビ版が名作になったのは、奇跡とも言える偶然の積み重ねの結果なのである。
 だから30分で一話完結だと、必要以上にメカの描写をする必要などなく、仮に当時がそういう番組で、それをベースに映画化されたとしたら、救助する方と救助される方の人物描写がメインになり、メカの登場シーンは必要最小限になったのは確実だ。なぜならその方が制作費が安くつくのだから。

 いずれ子ども向けの映画ではあるが、意外とシビアな会話も多い。
 話の最後の方で、「全員を必ず救助出来ない時もある。それがどんなに愛した人でも」とジェフが言い切ったのは良かった。過去のドラマでも、人の命がかかっている時、物理的に見捨てざるを得ない事があるというのを描いたのは「インターン」くらいだろうか。それでこそ人の命を助ける事の難しさが良く判るのである。

 また、ペネロープはジェフの愛人という事を匂わせているセリフも多いが、これはいいのか?
 まあどちらも独身なのだからいいのだろうが、やはりそこまでやらなくても、と思ってしまう。

 あとはフッドの雰囲気がなかなか良かったのだが、ティンティンもフッドと同じ超能力を使うというのは、なんだかなぁ。もちろん事前にちゃんと観客に判らせているのだけれど、やはり超能力合戦はどうかと思う。
 そしてペネロープは格闘しすぎ。やはりお嬢様なのだし、パーカーも派手なアクションをするのだから、彼をもっと強くした方が良かったのではないだろうか。

 いずれ、過去の劇場版二作と比較すると、少なくとも映画としては今回のが一番楽しめる。ゼロエックス号の話もアランの成長物語なのだが、いかんせんテレビの焼き直しに過ぎないシーンが多すぎるし、物語のバランスが悪い。スカイシップ・ワンの話も、ゼロエックス号の話よりは楽しめるが、いかんせんスパイ物になってしまっているため、本来のサンダーバードというテーマからは外れてしまっている。
 できればもう一本だけ作って欲しいが、多分無理だろうなぁ…。


2004年08月25日(水) ESIFCON始動?

 今日は最高気温が24度程度だったようだ。これでもやはり暑く感じたのだから、人間の感覚なんていい加減なものである。

 さて、今年開催されれば20周年となるESIFCONだが、どうも今年の実行委員長(ポンポン)は東京開催を狙っているらしい。というか、裏で某佐々木が暗躍しているようなので、ほぼ確定なのかもしれない。
 まあ彼があってのESICONだったのは間違いないのだし、メンバーのかなりが東京在住という事情もあるから、まあそれもまた良し、という事か。でもここ数年は青さんや岩崎氏に拠るところが大きかったのだから、少なくとも彼等が参加できるロケーションにはするべきだろう。
 ま、彼等にとっては東京ならなんとか範囲内なのかな、とは思うが…。
 いずれ20周年なので、少しは大きな事をやってもいいだろうし、いつもと変わらず淡々と、でもいい。要は、じゃんけん選抜実行委員長の考えひとつである。
 でもゲストを呼ぶというの、ちょっと無謀ではないか? いや、コネを駆使すればそれなりの人を呼ぶ事はできるだろうが、それに見合った内容を提供できるかどうか、である。
 こうなると実際問題として、私が協力できる事はほとんど無いな。

 さて。
 ようやく新聞に、キャノンのデジタル一眼であるEOS20Dの発売がアナウンスされた。ネットではキャノンのHPに載ったかと思えば削除されたりしたが、ようやく正式発表である(同時にEF-Sというデジタル専用のレンズも何本か出るようだ)。
 実勢価格は本体のみで19万前後と言われているが、ニコンのD70の後に出す訳だし、いろいろとセールス・ポイントはあるだろうから、多分それなりに売れる事になるのだろう。
 私もとりあえず注目しているが、現時点でデジタル一眼に要求するのは「CCD周辺の防塵対策」と「本体の堅牢性」である。性能自体はいいところまで来ているのだし、レタッチと言う最終手段もどんどん進歩している。あとはフィールドでどれだけ酷使に耐えるか、なのである。

 実は現在使用しているEOS55と630では、ランクとしてはほぼ同列なのだが、製品として15年以上の開きがある。それでも古い630の方が堅牢で、水にもホコリにも強かった(実は雨に打たれながら撮影した事もあるのだが、なんら問題は起きなかった)。
 そしてEOS55は修理しないともう使えない状態なのだが、作りが華奢なのであまり長持ちしそうにない感じがしてしまう。結局、修理するくらいならEOS7sにしたいところだ。

 だがデジタル・カメラの良さは、フィルムの再現性を犠牲にしてでも選ぶ価値があるのも確かで、だからこそ「時期的に開発途上であるデジタルにシフト」するか「まもなく田舎では完全に廃れてしまう銀塩にしがみつく」かで迷ってしまうのだ。
 EOS20Dと今秋出る予定のαシステムのデジタルを検討する事で、どうするかが決まりそうだ。オリンパスのE-1は、後継機の予定がまだないようだから…。

 しかしなんでデジカメというのは使用可能温度域が0度から40度なんだろう。これでは、この辺の屋外では、半年近くが使えない事になってしまうではないか。いや、冬は防寒カバーなどを利用する手があるからまだいい。むしろ真夏の炎天下ではCCD周辺が40度を超えるのは確実で、そうなるとノイズがとんでもなく発生してしまう。
 そういう条件を考えると、銀塩カメラも一台はキープしておかないといけないのである。
 EOS Kiss DigitalやD70は爆発的に売れたらしいが、買った人は今年の夏、どうしていたのだろう。


2004年08月24日(火) サンダーバーズは空軍だ

 アメリカ空軍のサンダーバーズが来日する。
 別に映画のサンダーバード公開にかけた訳ではなく、以前から予定していたアジア・ツアーの一環である。本当は二年前にあのテロがなければ、あの一週間後に三沢でやるはずだったのだが…。

 しかし今回は9月30日、つまり月末の平日という最悪のロケーションであり、どうあがいても見に行けないのである。
 と悔しがっていたら、今のままだと一般非公開という形になるらしい。基地側の説明では、直前に三沢基地航空祭があるので、航空ショーを続けて行う訳にはいかない、という判ったような判らんような理由である。
 いずれにせよ、私は前回の三沢に見に行って正解だったと言う訳だ。ただし非公開と言ったって、旋回する都合上で基地のエリア外も飛ぶのだから行けばそれなりに見られるのである。まあ航空自衛隊のように大きな半径は描かないが、周囲であっても迫力は充分伝わると思う。
 とにかくサンダーバーズの迫力は、冗談抜きで半端ではない。心臓が悪い人や乳幼児は行かない方が身のためである。

 なにせ前回見た時、それまで自衛隊のブルーインパルスは楽々撮る事ができたので安心していたら、これがとんでもない早さだった。とにかくファインダーに収めるのすら難しく、なんとか見られるのが数枚撮れただけだった。
 この時、あの低空であのスピードでは、何かあったら死者は数十人ではすまないだろうと悟ったのである。
 海外では当たり前なのだが、航空ショーというのは万が一の墜落事故があるので、それこそ事故に遭いたくないという人は行ってはいけないのである。観客はそれを覚悟した上で楽しんでいる。
 もちろん事故があれば、当然誰かが責任を取るし保証もするが、事故に遭う事はある程度覚悟しなければならないのが航空ショーというものなのだ。
 そうでなければサンダーバーズのように派手な機動はできない訳で、事故を警戒すると自衛隊のような安全マージンを充分取った機動しかできなくなる。

 やはり同じ日に同じ場所で見るという貴重な体験をしてしまうと、自衛隊には申し訳ないが、迫力が違うと言わざるを得ない。これはお国柄もあるし、自衛隊と言う組織の成立過程の問題もあるから、ある意味では仕方がないが、結局アメリカ軍が行っているのは、危険が伴うが「ショー」なのである。一度見ればそれは良く判る。
 アメリカと言うのは、何でもエンターテナーにしてしまう国であり、そしてやるなら徹底してやる国なのだ。

 それにしても見に行きたいなぁ…。
 まあ今後の展開によっては一般公開する可能性も残っているようだが、もしそうなると、なおさら悔しいぞ。


2004年08月23日(月) ポートレート撮影

 来月から同じグループの人間が一人減る。
 これは困った。今でも時間との戦いが多いのに、さらに一人分増えてしまうのだ。単純に銀行と郵便局が稼動している時間内にすべてを終わらせなければならない仕事が多い上に、それ以外の仕事もかなりある。
 こうなってくると、できる事をやるという以外に方法はないのだが、時間の制限があるから、処理できる物理的限界を超えそうなのである。まったくどうしろと言うのだろう。

 という訳で、別に現実逃避ではないのだが、「実践 ポートレート撮影」を買う。
 著者は馬場信幸という人で、フリーになる前まで雑誌「CAPA」の副編集長をやっていた人だ。今まで出した本を読むと、写真の技術はもちろんだが、カメラのメカニカルな部分やメーカーの技術などまで含んだ説明はかなり判りやすいし、かつ先進的だ。
 特にカメラ本体に関する洞察は、一生のうちにそう何台も買えない一般ユーザーにとって非常に参考になる。もちろんデジタルと銀塩の双方に詳しいから、メカ的になぜそれを勧めるかという理由もはっきりと示してくれる。

 写真についても、なぜそう写るのかがかなり判りやすく説明されている。
 例えば広角で全身像を撮る場合に足を長く見せるテクニックがあるが、その原理と欠点のカバー方法まで載っている。またストロボでの光のまわし具体も、非常に理にかなった説明をしてくれるが、それでいて独特なのである。これでメーカー純正のストロボなら最上位の物を買えという意味が、非常に良く判った。もちろんこれは価格の問題ではなく、使い勝手の問題なのである。
 さらに露出の決め方も、あの凸ミラーを使う確認方法と言うのは、眼から鱗が数十枚落ちていく、という感じだ。これで露出計を使う意味が、きわめてヴィジュアル的に判る。
 やはり基本的に、助手は使わず一人で撮影を行うというスタイルが、一人が当然の我々素人には参考になる部分が多いという訳だ。

 プロのカメラマンと言うのは、こういう様々なテクニックを持っているのが普通なのだろうが、ここまでオープンに、なおかつ原理まで教えてくれる人と言うのは、なかなかいない。流石は雑誌の元副編集長だ。
 写真を撮る楽しさを普及させようと言う意図が、極めて良く判る。そういう意味で、非常にいい本だと思う。

 おかげで久々にポートレート写真が撮りたいと思ってしまったではないか。問題は、現在はモデルになってくれる人がいないという事なのだが…。


2004年08月22日(日) いよいよ「立喰師列伝」映画化

 今日の最高気温は24度なかったそうだ。そろそろ夜は、涼しいを通り越して寒いくらいである。これでようやく過ごしやすくなってきた。

 さて、押井監督作品として「立喰師列伝」が映画化される予定だとか。一応2005年となっている(公開か製作かはまだ判らない)。
 もし本当なら喜ばしいが、実写なのかアニメなのかすら、現時点では不明なのが気にかかる。以前、IGの石川プロデューサーが「押井監督に今度はギャグ物をやってもらう」という内容の事を言っていたが、これがそうなのか?
 だとすると、石川氏すらあの小説の本質を理解していないという事なのか?(いくらなんでも、そんなはずはないよなぁ)

 もちろん押井監督なら、あれをギャグ映画にしろと言われれば、それは誰にもできないレベルのギャグ映画にしてしまうだろう。だがあれはシリアスに普通の映画で作ってこそ意味があるのだ。
 まあシリアスにしようとしたところで、このままでは誰も出資しないのは明白だし、そもそも「押井監督の実写」ではなおさらだ。したがって今回、どういう形であれ「立喰師列伝」の映画化というエサに押井監督が飛びつかないはずはない。このチャンスを逃したら、多分次はないからだ。
 実際問題として、押井ファンを名乗る連中でさえ、あれを正しく理解している者はほとんどいないようだし、映画として作るためには、仕方がないのかもしれない。

 この本は、「もうひとつの(虚構の)戦後史」などと書かれているが、実は虚構でもなんでもない、まさにこれは日本の現状を、少しだけオーヴァーに表現しただけなのである。
 そして同時に、学生運動で官憲と喧嘩までしながらあっさりと尻尾を巻いて逃げていった、押井のほんの少しだけ上の連中が作った社会に対する怒りも含まれているのだ。死人まで出した学生運動が、所詮お坊ちゃまの遊びだったという事か、という怒りだ。

 いずれその辺をどう処理するつもりなのか、興味は尽きない。
 仮にアニメ化だとすれば、やはり「人狼」のような映画にはできないだろう。作ったところで二番煎じとなってしまうからだ。となるとギャグ路線が順当な判断ではある。悲しいが。
 ただしアニメだとすれば、今は亡き天本英世氏を登場させる事が可能になる。やはり月見の銀二だけは彼のイメージが強い、というか彼以外には考えられないのである。役割の上でも、ある程度の年寄りの必要性があり、若者では意味がなくなってしまう。
 まあギャグにしてしまうなら関係はないかも知れないが、最初に老人である月見の銀二が出ないと、後に続く若者と資本主義社会の関係が描けなくなってしまうのである。
 そうなるとハンバーガーの哲としての川井憲次氏も登場させる事が可能となる訳だ。もっとも川井氏自身は牛丼マニアだそうなので、牛丼の牛五郎の方がいいのかもしれない(これは「立喰師列伝」を読んでいないと訳が判らないネタだな)。

 どういう形になるにせよ、「立喰師列伝」の映画化自体は喜ばしい話だ。いつもの調子で、映画自体を自分のフィールドに誘い込んで欲しいものである。


2004年08月21日(土) ついに「冒険日本丸」

 先日KCから譲り受けた、小沢さとるの「冒険日本丸」を読む(小沢さとるの作品として、あとは「エムエム三太」が復刻されればいう事はないのだが…)。
 同時にもらった桑田次郎「デスハンター」は、連載当初から呼んでいたし大好きな作品なのでほぼ完璧に覚えている作品だが、とにかくきれいな本で読めるのがうれしい。

 ちなみに「冒険日本丸」だが、これは未読であった。色々と噂は聞いていたが、読んでみると確かにありゃありゃ、という感じの作品である。
 描かれた時期は1964年なので、「サブマリン707」が1963年連載開始という事を考えると、ストーリー・演出とも異様に手抜きに思えてしまう。しかしこの作者は、「青の6号」(1967)が勢いあまってストーリーがうまくまとまらなかったという経緯もあるし、「冒険日本丸」も同じだった可能性もある。
 あまりに壮大なテーマ(本当に夢物語である)だけに、まとめきれなかったからああせざるを得なかった、と良い方へ解釈してもいいのかもしれない。

 だがどうしても「小さい子供を意識したご都合主義」という部分は否めない。サブマリン707のような一貫したストーリーにはなっていない訳で、おそらく連載するにつれ、あまりにテーマが大きすぎて整合性が取れなくなっていったのだろう。あるいは途中で投げてしまったのかもしれない。
 最後は全然違う話になっていき、何なんだこれは、という終わり方である。まあ失敗作である事は間違いないが、せめて「青の6号」程度にはまとめて欲しかったものだ。

 ただこの漫画のテーマである「全世界が仲良くなるためには、全員が友人になればいい」というのは、私の大学の亡くなってしまった前総長が提唱する思想と同じなのである(そしてそれを留学制度を利用して実践し続けたのが、この人の素晴らしいところではある)。
 もちろん全世界が友人になると言うのは、まず無理である。特に宗教というやっかいなものがあるからほぼ絶望的ではある。しかし若いうちから世界中に友人を作ろうと努める事で、その人たちが偉くなれば、結果として100あった紛争が50に減るかも知れない。そういう努力は、決して無駄ではない、と思う。理想は無理としても、それに近づける努力は必要だろう。

 こうしてみると、「デスハンター」は「冒険日本丸」の対極にあると言ってもいい作品である。人類に絶望しているのだから。


2004年08月20日(金) いつの間にか「映画吹替王」

 久々の青森県台風直撃である。
 でも台風の目と言うわけでもないのに、何故か晴れたり降ったり、風も瞬間最大で30メートルを記録したかと思えば、穏やかになる。なんだかあまり台風らしくない一日だった。

 捜している本があるので、会社が終わってから本屋に行ったのであるが、三軒あったうちの一軒がなくなっていた。いつの間に…。多分お盆の時期に閉めたのだろうが、なんの案内もなかったのである。
 まあここはマンガしかなかったようなところではあるが、やはりなくなると不便である。

 という訳で、他の本屋に行くと「とりみきの映画吹替王」という本が出ていた。
 別冊映画秘宝のVol.3なので「映画秘宝に連載していたのがそんなにたまってたっけ」などとのんきに立ち読みしたら、なんとインタビュー集ではないか。
 という訳で当然買う(実はとりみきの本、「るんるんカンパニー」からずっと買い続けている)。
 とりみきとはほとんど年が同じなので、書いてある内容もほとんどリアルで体験しているし、そもそも趣味の傾向が似ている事もあり、とても楽しめる内容になっている。
 やはり私の世代にとって、声優とは洋画や海外テレビドラマの吹き替えなのである。ルパンの方が有名になってしまった納谷悟郎や山田康雄は、やはりコンバットなのであり、チャールトン・ヘストンでありクリント・イーストウッドなのである(ジョン・クリーズも素晴らしい)。まあ、そういう下地があるからこそ彼等はアニメでも大活躍できた訳だが。

 とにかくこのインタビューは、吹き替えに対する考え方の違いが判ったり、今まで思っていたのとは違う方法でやっていたのが判ったりと、とても興味深く読める本に仕上がっている。ただ一つだけ例外なく共通しているのは、全員がプロだという事だ。
 もちろん時代というのもある。最近のテレビは吹き替えに金をかける余裕がないため、そつなくこなす若手を使いたがり、結果として個性的な人が出てこないのだそうだ。そういう時代では、昔のような個性は育たない。今の吹き替えがつまらないのは、演ずる若手の問題だけではなく、使う側の問題も大きいのである。
 だからこそ、昔の吹き替えがどういう状況で行われたものだったのかを知るのは、いろいろと勉強になるのだ。

 しかしこうして改めて彼等の芸歴を見ると、本当に「役者だのう」と思ってしまう。いや、そもそも役者でなければ務まらない仕事なのだが。


2004年08月19日(木) RONINの制作費はいくらだ?

 先日買った「RONIN」の、ジョン・フランケンハイマー監督による音声解説を聞く(見る?)。たった28分だが、これが結構おもしろい。
 これを見て、一体制作費はどのくらいかかったのか知りたくなってしまった。軽く調べた限りではまだ不明なのだが…。

 元々この映画は、公開当時に「ここ15年で最高のアクション映画だ」と思ったものである。前半と後半で映画の質が変わってしまっているが、それでもどうしようもない似非アクション映画が多い中、傑作と言っていい。別にCGを使っていないとか、そういう事は関係ない。要はどれだけ納得できるアクション映像に仕上がっているか、である。

 音声解説によると、フランケンハイマー監督はパリに結構長く住んでいたという事で、つまりそれが長期にわたるロケハンと同じ役割を果たしている。だからどんなシーンでも、いかにも使い古された雰囲気とでもいうか、そういう画面に馴染んだ感じがするのである。だから背景はあくまで背景として溶け込み、決してでしゃばらないよう巧みに配置される。それでいてさりげなく自己主張がある。つまり名脇役と同じ働きをしているように思える。
 この辺は東京に長く住んでいた押井監督と繋がるものがある、と思うのは私だけだろうか。うん、私だけだろうな。
 いずれ私も、自分で写真を撮る時には、やはりロケハンというか事前に下調べをしておくと構図も決めやすいし、なにより気分的に楽になる。映画の解析をする時、これは重要な要素として捕える必要があるかもしれない。

 俳優の扱いにしても、意外とキャラクターの性格の説明に細かい手間隙をかけている。照明やセットや小道具を巧みに使いわけているのである。もちろん性格付けの描写は見ていてはっきり判るが、同じシーンで役者毎に性格の違いを表すために照明を変えていたとは意外だった。

 そしてあのカーチェイス・シーン、エキストラの車は300台だったとは、驚きである。まあ100台くらいは使っていると思っていたのだが、予想以上の数だったと言う訳だ。
 カースタントも、わざわざ右ハンドルの車を用意し、助手席にダミーのハンドルをつけ、デ・ニーロ等に演技させていたのである。だからかなり顔が引きつっているのが判る。監督もなるべく乗り込んでいたというし、さすがはカーキチである。だからこそカーチェイスの醍醐味と、そしてこれが重要だが「見せ方」が判っているのである。
 最近のカーチェイスは、どうにも迫力がない。あるいは「マトリックス・リローデット」のように、ハデなのだがどうも見せ方が今ひとつ、というのも多い。やはりカーチェイスは「スピードと重力」が感じられないとだめなのだ。重力を感じさせるためには、急激な静と動を制御できる一流のドライバーが必要なのである。

 しかし、私も大概のスタントではどう撮るか知っているが、「デ・ニーロが先行する車をロケットランチャーで撃つと、前輪を中心にひっくり返りそのまま滑っていくシーン」の撮影で、あれは乗っているスタントマンが自分で爆破タイミングを計り、乗ったまますべっていたというのには驚いた。
 そして監督をして「このシーンだけはいくら金を詰まれでも自分でやろうとは思わない」と言わしめている。そのくらい危険な撮影なのである。まさか本当にドライバーが乗ったままだったとは…。
 まあ監督がカーキチ(本当に走る事が好きなのである)だけあって、かなりの部分は安全ラインを理解していたようだが、それでも画面上の迫力はなかなかのものだし、私はこういう車の事を充分理解した人が作るカーチェイスというのが大好きである。

 やはりどんなジャンルであっても、いい監督と言うのは細かいところまで目が行き届いているものなのである。
 そしてこれを「愛がある」というのだ。


2004年08月18日(水) やっぱりヘンな土地

 今日の最高気温は20度もなく、実に過ごしやすかった。雨が降ってはいるが。

 デーリー東北という、青森県南部のみをカバーする地方新聞がある。この新聞の第一面には天鐘という欄(朝日新聞でいうところの天声人語)がありネットでも読めるのだが、今日のはなかなか面白かった。
 大雑把に言うと、他県から八戸へ転勤してきたサービス業の人が、この辺の人の苦情の言い方はどうにも理解できないという内容で、本当に些細な事であっても必ず「社長に言うぞ」「市役所に知らせようか」「新聞に投書するぞ」という脅しをかけてくるという内容だ。

 確かにこれは私も長年疑問に思っていた。埒があかなくなって、と言うのではなくいきなりトップとの駆け引きを要求するのである。これは上に話を通せば、どんな無理も通ると言う長年の慣行からきているのだろう。だからトップもそういう心積もりでいるし、逆に下の人間はトップが決断するまで何もやろうとしない。
 つまり青森県南部の会社には管理職など必要ない訳で、実働部隊とトップがいれば成立してしまうのである。そんなだから、当然クレーム処理などまともにやってくれない。
 私も色々と苦労したので、現在の買い物は基本的に県外の企業からと決めている。そうしないと安心できないのである。
 信じられないかもしれないが、自分の方が悪くてクレームがあっても、絶対に謝らないが、逆にトップを通せば、こちらが悪くても謝るという、あきらかにおかしい社会が形成されている。これは馴れ合い社会でもあるのだが…。

 で、今回の執筆者は「権威とか有力者の名を持ち出して相手を威嚇する人が、確かにいる。青森県民に顕著な気質なのか。それは私たち自身が権威や“お上”に弱いことの裏返しのあかしではないか。」と書いている(ただしこれは県南地区の特徴であろう。あまり津軽方面では聞かない)。
 確かに先日の東北町における議員リコールの署名運動を見ても、議員自ら署名を取り消すよう脅迫して回り、結局リコールは無効にしてしまったくらい権力の使い方が異常だ。しかも取り消させているのは問題だと新聞に載っているにもかかわらず、堂々と行っていたのである。
 議員の圧力に屈する人間が多いとはなんとも情けない町ではあるが、それを当然としている県南部の風土は、やはり政治的に幼稚であるとしか言いようがない。
 非常に腹立たしいと誰も思わないのが、不思議である。

 なんだか今日のは、不毛な内容なのかもしれないなぁ…。


2004年08月17日(火) チヌーク・ダウン

 会社に行くと、もう全快で粗仕事である。午前中があっという間に終わってしまう。お盆中も銀行は平常業務をしているので、お盆明けはカバーがきつい。
 それでも今日は、最高気温が20度なので、まあ過ごしやすかった。

 さて。
 沖縄県宜野湾市の米軍ヘリ墜落事故は、在沖縄米海兵隊が日米合同の現場検証を拒否したそうだ。つまり日本の警察を拒否したわけである。
 だがこれは当然といえば当然だろう。それと言うのも、日本とアメリカは航空事故に対する調査のシステムが全然違うからだ。
 航空事故に関して、日本はあくまで「犯人探し」をするのに対して、アメリカは「原因探し」をするのである。メカに原因があるのか、人に原因があるのか、もし人なら再発を防ぐシステムを考える(この場合のシステムとは機械の事ではない)、というように、アメリカでは犯人探しは行わずにあくまで再発防止の努力をするのである。だからアメリカの航空事故では普通、パイロットの刑事責任は問われないので、パイロットも全面協力できる。
 だが日本はあくまで犯人を探すため、いきおいパイロットも証言拒否をせざるを得なくなる。結果として原因解明が送れたり、あるいは不可能になる事もあり、アメリカ側もそれは良く判っているから、当然日本の介入は拒否する。

 というのが、合同調査を拒否されるのは当然という主な理由であり、これは航空界では常識である。だが今回は海兵隊が相手なので、当初から合同調査は難しいと思われていた。
 そもそも現在でも日本の空の2/3はアメリカ軍の官制下にある。日本の旅客機等はアメリカ軍の許可を取って飛行しているようなものであり、彼等の領空には無断で進入できないのである。つまり空に関しては、今でも日本は占領されているのと同じなのである。
 そんな状況で、米軍機の事故に日本の警察が介入できる可能性は低い。特に沖縄に配備されている海兵隊というのは、アメリカ軍の中でも特殊な立場にあり、彼等からすれば日本は未だに占領下なのである。この辺の感覚は陸海空各軍とも違う。
 さらに軍用ヘリなので、ソフト面でもハード面でも機密事項があるだろう。軍事機密というものは、例え同盟国であっても、絶対にオープンにはしない。ましてや日本に対しては、機密のガードが緩い国なのでなおさらである(F-15の後継機であるF-22は、軍事機密が多いため日本に渡さない事はアメリカの閣議で決定している)。

 だから今回、警察の出る幕はないので、さっさと引っ込んで国家間のやり取りとして事故原因の結果報告を急がせた方がいいのである。
 なぜなら今回墜落したCH-53Dというのは、日本でライセンス生産されているCH-47Jのベースなのである。つまり同じ事故が起こる可能性があるという事だ。
 ちなみにCH-47とV-107は、元々同じ機体である。つまり日本にはこの型のヘリが大量に飛んでいるという事なのだ。
 もちろん、ベトナム戦争以来使用され順次改良されてきた機体なので、今回の事故は欠陥が原因とは考えにくい部分もあるが、やはり早急に事故原因を教えてもらう必要性がある。テール・ローターの故障は、ヘリにとって致命的である。機体の欠陥なのか整備の問題なのかで、対応は全然違ってくるのだ。

 少なくとも同じ事故を繰り返させない事が、今回は急務なのである。


2004年08月16日(月) もう帰還である

 午前中に仙台市科学館へ行こうとしたら、月曜は休館日なのだそうだ。夏休みだからせめてその期間はやっていて欲しいというのは、少数意見なのだろうか。
 仕方がないので、子どんぐりの要望でトイザらスへ行き、いくつか買い与える。私は浴玩の劇場版サンダーバードを二つ買う。まあ二つも買えば義務は果たしたという事で(何の?)。

 そして帰りは途中でテルミックに寄ったのだが、今月で閉店だとか。な、なんですと〜。
 やはりマニア向けになったのが良くないのかも知れない。場所が場所だけに車がないと行けないのだが、やはりマニアは車の保有率が低い可能性があるし…。
 それはともかく、まだラストセールではないのであまり安くなってはいなかったが、怪奇大作戦のトータス号が半額だったので購入(昔定価で買ったんだが…)。ついでにガメラ3の「ガメラ飛行形態」を買う。本当は2の飛行形態がバランス的に一番好きなのだが…。これでさらに3割引だったので、合計2100円である。ちょっとラッキー。
 今回は、買った量の割には使った金額は意外と少なかった。まあ時間もなかったのが幸い(?)しているのだろう。

 そんなこんなで、午後は仙台を後にして帰還する。予想通り道路はすいており、走るのは比較的楽だったので、ほぼ予定通りの帰還である。反対車線はずっと混んでいたが、どんぐり一家のいつも見る光景はこれなのである。

 帰宅してメールチェックをしたところ、必要なものが3通、スパムが15通であった。エキサイトがシステムを変更してからというもの、スパム・メールが異常に増えたぞ。

 そして夜は、ニュースもオリンピックばかりである。
 その後でどこも特集を組んでいるのだから、せめてニュースはきちんと流してほしいというのは、私だけなのか? 関西電力の原子炉問題や普天間基地のヘリ墜落事故等、詳細を流すべきニュースはいくらでもあるだろうに、NHKにも困ったものだ。


2004年08月15日(日) 物欲の日

 子どんぐりを連れて恒例の、S-PALにある科学実験道具専門店(なのか?)へ行く。
 夏休みなので売り切れ商品も多いが、結構楽しめてしまう。何だかんだで一時間ほどいただろうか。やはり私が子供の頃にこういう店があったら、もう少し人生が変わっていたかもしれない、などとくだらない事を考えてしまう。
 あとは子どんぐりの読書感想文用の本を探しにジュンク堂や丸善に行ったが、本人は何も買わずにドラえもんの学習マンガを立ち読みして終わる。困ったものだ。

 午後は子どんぐりを実家に置いて、町に出る。実は彼は人ごみが嫌いらしい。
 ボークスでは東宝マシンクロニクルの「黒鮫号」、ボトルキッャプの「ミステリアン」を買う。東宝マシンクロニクルは「メーサー車」と「海底軍艦」が欲しいのだが、ないものは仕方がない。

 CDショップを数件回るが、プログレ系やブリティッシュ系のCDで欲しいものが50枚くらいあり、結局絞れず一枚も買えない。代わりに「RONIN特別編」を購入。これはフランケンハイマー監督のアクション解説が入っているというただそれだけのために買った訳である。映画館で見ているしLDも持っているくらい好きな作品だが、やはりジョン・フランケンハイマーの肉声というのも、日本では珍しいのである。
 途中、電力ビルの一階でパンナム・マークのネクタイピンを見つけてしまった。やはり2001年ファンとしては、これで会社に行かなければ(普通の人には判りにくいか?)。

 本屋では「おいどん2004」が入った本を見つけたが、立ち読みできず断念。どういう内容なのか非常に気になってしまう。これだけのために買うのも躊躇われる。昔はすぐに買ったものだが。
 ふと脇を見ると、いつのまにかファンコレから出ていた「謎の円盤UFOアルバム」があり、当然買う。残念ながら一冊しかなかったが、本当はもう一冊欲しい。もちろん以前出ていた豪華本の方は持っているが、気楽に見るためにはこちらの方が楽なのである。
 とにかくこのシリーズは、メカ中心というのがありがたい。ITC物(正確にはジェリー・アンターソン物)は、メカが重要なのである。
 それと世界の傑作機シリーズ「XB-70ヴァルキリー」が出ていたので、すかさず買う。写真は各種洋書を買いあさっていたのであまり珍しいのはないが、とにかく記事を日本語で読めるのはうれしい。
 しかしエジェクション・シートの後ろにチャフ・ディスペンサーが付いているというのは、時代を感じさせる。

 夜は0時過ぎにKCと会う。
 以前約束していた「デスハンター」と「冒険日本号」その他を譲り受ける。非常にうれしい。KCとはいずれゆっくりと飲み明かしたいものだが、なかなか時間が取れないのが残念である。今回は時間もなかったので、90分ほど雑談。
 その時の「モバイル・ホームレス」というネタは、もしかしたら実在するかも知れないなぁ。
 今回も話題になったが、そろそろ済さんとも連絡を取らなければ。ちょっと不安な部分もあるので…。


2004年08月14日(土) いざ仙台へ

 午前中に弘前から仙台へ向け出発。
 今回は、早めの帰省と鉢合わせで、高速が非常に混んでいた。いつもならこちらはガラガラ、反対は渋滞という光景が見られたのに、残念である。

 それでも15時には着いたので、ノダヤに行ってみる。
 いろいろあるが慢性金欠状態なので、ほとんどは見るだけで諦める。ただ、いずれジオラマに使えるかもしれないので、AIRFIXの「1/72 PONTOON BRIDGE」を買っておく。
 驚いた事に、西日本限定の王立科学博物館「白のパイオニア・ヴァージョン」があったので試しに二つ、また童友社のジオラマケースがちょっと面白かったので二種類購入。

 今日はその程度で終わりである。
 結局今日も、移動でほとんど終わってしまう一日なのであった。まあ、子どんぐりを両親に見せるのが主な目的だから、別にいいのだが。


2004年08月13日(金) いざ弘前へ

 義母の新盆で、弘前へ墓参り。
 毎年ニュースでも話題になるが、相変わらず禅林街は混んでいる。黒門は狭いので車がすれ違えず、また駐車場もあまりないので、どうしても周囲は乱雑となる。そしてカラスの数も凄かった…。

 終わってから紀伊国屋書店へ行くと、休みである。お盆休み? なんですとぉ〜。
 という事で、ふらふらと散歩して一日は終わったのであった。途中でなぜかタイムスリップ・グリコの第2弾「タイムマシンにおねがい」が150円で売られていたのを発見したので購入。
 これは近いうちにアルバム「黒船」を買うつもりなのだが、まあ価格を考えればお買い得という事だ。もともとこのアルバム自体は、日本のメジャー・シーンにおいてロックとして初めて売れたアルバムと言えるだけあって、実は結構好きなのである。

 結局、移動と墓参りで一日が終わる。
 しかし子どんぐりは全然勉強してないなぁ。というか宿題すら終わる気配がないぞ。いいのか?


2004年08月12日(木) 明日から帰省

 明日は義母の新盆という事で、弘前へお墓参りである。その翌日は仙台まで行く訳で、時間が全然足りないぞ。ボーナスもほとんど出なかったから、お金も全然足りないぞ。

 さて、会社で上司の父親が亡くなったので、葬儀へ行く人に香典を預けた。
 夕方、代表で行った人から香典返しを受け取ったが、これがなんと石鹸&ボディソープであった。少し前まではお茶などが多かったが、最近はこういう「より実用的な物」が増えているように感じる。やはり葬儀社も色々と頭を使っているのだろうか。
 しかし帰るまで社内は、石鹸の香りが凄かったぞ。

 全然話は違うが、八房龍之助の漫画に「宵闇眩燈草紙」というのがある。登場人物の思考回路が非常に大人なので、かなり楽しませてくれる作品だ。
 その五巻目に、ある銃が出てくる。外観はウェブリーに似ているが、もちろん想像上の産物である。
 この説明でトリガー・ストラットというシステムが描かれていた。セミ・オートマチックにならハンマー・ストラットというパーツがあるが、現在のリヴォルヴァーにはトリガー・ストラットというパーツはない。漫画のコマの中を良く見ると、どうもベースになった銃が存在するようだ。

 という訳で調べたところ、コルトM1877(ThundererあるいはLightningと言われる物)をベースにしたらしいのだが、現時点で国内外のサイトを調べた限りでは、この内部を解説している所が見つからないのである。
 この銃自体は、ビリー・ザ・キッドが使用したダブル・アクション・リヴォルヴァーなのだが、この頃の銃はコルトのSAAに代表されるようにシングル・アクションが主流なので、きわめて珍しいと言えばそのとおりである。グリップ形状がかなり独特なので、見れば判るだろう。
 しかしいくら外観が判っても、そのトリガー・ストラットというシステムは今ひとつはっきりしない。もちろん絵で見る限りでは何となく理解できるが、やはり正確な機構を知りたいではないか。調べでも判らないというのは、とても気になってしまう。

 やはり、現在全く使われていない機構となると、調べるのも容易ではない。こういう時、東京に住んでいればいくらでも調べる方法はあるのだが。
 池袋や銀座のあの店や、渋谷のあの店、最後の手段の神田とか、時間さえかければいくらでも調べる手段はある。特に洋書をあたれば最新の物からフリントロックまで、大概の事は調べられるし、そういう専門店も存在する。今年になってから潰れてなければ、だが…。
 とにかくこういう時、田舎の不便さを実感するのであった。


2004年08月11日(水) どうした、ロドリゲス

 お盆も近づくと、休みの人も増えてくる。いいなぁ、ヒマな人は。こっちは休めないのだが。

 さて、「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」を借りた。
 これはデスペラード3部作といわれる最後の作品なので、劇場で見たかったのだが、例によってあっさりと終わってしまったのである。
 そういう訳でちょっとだけ期待していたのだが、いや、これがつまらない。簡単に言えば、群像劇をやろうとして見事に失敗した作品である。結局誰にも感情移入できないし、これはという場面も特にない。監督のロドリゲスはどうしたというのだろう。「エル・マリアッチ」と「デスペラード」は、名作とは言えないが、彼独特の場面を見せて楽しませてくれたものなのだが。

 映画好きの人によると、『ロドリゲス作品の特徴は、シーンのインパクトを積み重ねることで叙情性を生み出す作劇術にある。これはジョン・ウーを始めとする香港派や、盟友タランティーノの『キル・ビル』にも連なるスタイルで、言わばアクション映画の最新流行型。』なのだそうだ。確かに「デスペラード」はこの文法に当てはまりそうだが、今回の作品は全然違っている。

 そもそもジョン・ウー作品では、複数の視点各々が独立しているように見えて、実はすべてが連動して一つの大きな流れを形成しているのだが、今回の「レジェンド・オブ・メキシコ/デスペラード」では、ただの映像の寄せ集めになっているだけで、視点がまったくバラバラなのである。
 別に主役を一人に限定する必要性はないが、失敗すると本当に収拾がつかなくなってしまう。聞いた話では、ジョニー・デップがかなりでしゃばった事も敗因の一つだといわれているが、それでは「リーグ・オブ・レジェンド」はどうなのだ。あれだって途中からショーン・コネリーがかなりでしゃばって、監督や他の役者が苦労したというのは周知の事実だが、それでも結果としてかなり良く出来た作品に仕上がっている。
 やはりこれは、監督の力量の差なのだろう。

 そして強調したいが、特に今回は、銃器の描写に対する愛情が全然足りない。またこれはカメラマンのせいもあると思うが、どうもアクション・シーンがきれいに撮れていない。なんというか、皆仕事が雑なのである。
 こういう作品を作ってしまうと、ロドリゲス監督としては次の作品で今後の運命が決まってしまうのではないだろうか。


2004年08月10日(火) 機械は壊れるもんだ

 美浜原発の死亡事故は、予想通り「ただの人災」である事が確定した。
 事故ではなく、起こるべくして起こった人災なのである。13年間一度も検査をしていないとは、どういう神経をしているのだろう。これだから日本の原子力を管理している組織は信用できないのである。
 今回「放射能は漏れていない」なんて発表をしているが、問題はそんな事ではない。今後、どこが壊れてもおかしくないという程度の管理しかしていなかったという点が恐ろしいのだ。

 そもそも流動体が通過するパイプなどは、その肉厚が徐々に減っていくのは常識である。だからボイラー系のありとあらゆる設備は、膨大な手間隙をかけて毎年検査をしているのである。これはゴミ焼却炉も石油精製施設もまったく同じである。違うのは肉厚磨耗の許容範囲の差だけであり、考え方はすべて同じである。
 ましてや原子炉のように閉鎖系のパイプの流量を測るためには、差圧によって計るしかないので、当然内部には渦が発生し、徐々にではあるがパイプは削れていくのである。

 それが13年間一度も検査していないとは何を考えているのだろう。こういう所の検査の必要がないと考えたとしたら、はっきり言って、上層部は工学的知識ゼロの大バカ者の集団だ。そういう検査の責任は上層部にも当然ある。
 今回は、肉厚10ミリのパイプが、1.4ミリしかなかったのである。これで壊れないと思う方がどうかしている。流速の変化でいとも簡単に穴が開くのだ。そしてこういう問題は、電力使用量がピークになるというように、常に最大稼動を強いられる時に起こりやすい。

 しかしバブル以降、どうも日本人は構造物というものを過信している節が見られる。周囲を見ていてもそうだし、色々な事故を見てもそうだ。物というのは確実に壊れる。それが早いか遅いかの違いだけで、絶対安全な物など存在しない。だから緊急時のマニュアルが必要なのだし、定期点検が必要なのだ。
 まあ日本の定期検査というものは、あくまで形でしかない物も多く、手を抜こうと思えば徹底して抜ける。そして人身事故がおきて初めて問題になるが、肝心の事故にあった人間にとっては悲劇以外の何物でもない。

 現在の日本で、機械関係の内部を全く知らない人が増えているというが、やはり現実問題として物がブラックボックス化し内部が判らないから放っておくしかないのであろう。
 昔は、バイクも車も、それなりに自分でいじれたから、機構が良く判ったし、特にバイクなどはパーツの交換もほとんど自分で行えたので、エンジンにしても足周りにしても、異常があればすぐに判ったものである。
 しかし今乗っている車だと、異常があっても気づくのが遅れる、というか自分では良く判らないのである。結局整備工場に頼るしかないから、ますます日常の異常が発見しにくい。
 こういう他人任せの社会になってしまったのが、日本をおかしくしている一因なのだろう、と思ってみたりする。


2004年08月09日(月) まだまだ暑いぞ

 昨日半日で、けっこう焼けてしまった。そんな今日、午前中は休みを取って、雑用色々…。
 しかし一日休みを取れないというのは、非常に不便である。これで給料が安いのだから不公平である。それでいて夏休みなんかも、全然ない。あほらしいなぁ。
 ちなみに朝一でやったのは、昨夜の高速で車にへばりついた虫を落とす事である。これがなかなか落ちない。まずはお湯でざっと落とした後は洗車場へ。これだけでもう疲れてしまう。

 買い物途中で、電気製品量販店を覗いたら、扇風機が数台あった。量販店で数台というのは、やはり異様な光景である。売りたくても物がない、というのも店にとっては困りものだが、特に安いものを売る店としてはなおさらだろう。それでも置いてある物は先週のチラシどおりの価格なのは、えらいと言うべきか。

 そしてタカラの浴玩で、サンダーバード4号があったので購入。
 マイクロ水中モーター付で、お風呂で遊べる4号だ。しかし対象年齢が15歳以上って…。こういうので遊ぶのは、普通は「小さなお子さん」だろう。やはりここは素直に「対象年齢35歳以上」と書くべきだったのではないだろうか。
 ちなみに子どんぐりに「君には無理だ」と言ったら、素直に信じてしまったぞ。でもこういうのは、年には関係なく、興味をもったら遊んでみるものなのになぁ。
 あ、もしかしてこれ、ジュニア707にも取り付けられるのだろうか。後で試してみよう(わくわく)。

 夜のテレビで海外のCMを流していたが、突然ジョン・クリースが出てきたので驚いた。当然イギリスの物だ。あの風貌だと、フォルティ・タワーズの頃だろうか。
 意外とパイソンズのメンバーによるCMを見た事がないが、やはりイギリスなら多少はありそうなものだ。CMならマイケル・ペイリンあたりがそつなくこなせそうな雰囲気があるが、実際どうだったんだろう。
 世界のCMという感じのDVDソフトも出ているから、いずれ買って調べなければ。

 最近ようやく日記が短くなりつつあるなぁ。いい事だ。


2004年08月08日(日) 安比で遊ぶ

 朝から草刈り機の音がうるさい。
 あの円盤カッターの音は非常に甲高く気になるのだが、何も日曜の早朝からやらなくても良さそうなものだ。それで泣くとも夜は暑くて寝不足なのに。

 安比へ行く前に、ホームセンターでバーベキューの炭火起こし用送風機を買う。実際問題としてどの程度の効果が出るのかは未知数だが、物は試しである。

 午後、安比に到着。
 T寺家の息子さんと子どんぐりが並んだら、体格が縦横ともに負けている。子どんぐりの方が一つ上で、昨年までは勝っていたのだが…。少なくともケンカをしたら確実に負けるという程度の体格差になっていたのであった。

 一休みした後、スキーセンター内で開催されていたレゴ博というのに皆で行く。しかし中学生以上の大人は一人800円というのは、どう考えても高すぎる。それで何か記念品があるとでも言うならともかく、別に大した事もない内容である。
 それでもほぼ実物大のホバ・フェットにはちょっと感動する。素顔が出ていない分、似ているのである。ハリー・ポッター等の素顔が出ているものは、ほとんど似ていないだけに、なかなかいい雰囲気に仕上がっていた。
 子どんぐりは、ブロックのつかみ取り(一分間で小さい箱に入れた分をもらう)を行い、多少満足したようだ。中学生なんだがなぁ。
 しかしこれも600円だから、暴利といえば暴利である。

 そして恒例のバーベキュー。
 今年は天気も良く、安心していられた(来る途中で土砂降りの雨に遭遇したが)。そして炭火起こし用送風機は、これが思いの外効果があった。実に簡単に炭火が起こったのである。こうして人間堕落するんだな、と実感する。電池がなくなったら何の役にも立たないが、少なくともバーベキューには重宝する物である事は間違いない。
 その後、19時20分より安比の花火を見て、終了後は持参した花火を行うが、あっという間になくなる。しかし例によって露が降りてしまい、着火に手間取る事が多かった。これは来年以降の課題ではある。

 そしていつの間にか子どんぐりはT寺家の子供たちとゲームを始めてしまい(予想通りだ)、結局帰路に着いたのは21時を過ぎていたのであった。
 明日は登校日なんだが、大丈夫か?


2004年08月07日(土) そういえばクリムゾン

 子どんぐりは、またも朝からお腹の調子が悪いようだ。
 という訳でポケモンの映画は中止である。今ひとつ積極的に行きたがらないのだが、中学生にもなって「小学生に混じってポケモンを見る」というのが、そろそろ恥ずかしいというのもあるようで、それはそれでいい事なのであろう。
 私も今回のサンダーバードは、明らかに「アメリカの子供向け」に作られているのでどうも劇場へ足を運ぶのが億劫である。というか、やはりなんとなく恥ずかしいのである。
 あ、子どんぐりとおんなじ悩みだ。

 明日は安比のT寺家別荘へ行く予定である。
 お土産とは別に、炭火起こしのための送風用ガジェットを捜しているが、見つからない。今まで毎年使用している物はハンドルを手で回すタイプなのでどんな状況でも心配はないのだが、肝心のハンドルが意外と脆弱な作りなので、予備も欲しいのである。
 今日になって電池式の物が見つかったが、屋外で電池に頼る機材というのは、どうしても不安である。どうしたもんだろう。

 夕方、子どんぐりを連れて明日のための花火を買いに出る。
 今回は総額で3000円分もあれば充分だろう。虫除けキャンドルが見つからなかったのは失敗だったが、さすがにシーズンもそろそろ終わりという事で、追加がないという訳だ。

 ここで子どんぐりは店頭デモのゲームを始めたのだが、なんと「どろろ」である。
 おおっ、と見ていたのだが、これがどうも百鬼丸という特異なキャラクターを生かしているとは思えない、ただのチャンバラ物ゲームである。しかもザコ・キャラは河童だのゾンビ武者だの、どうも世界観が違うし、その百鬼丸が訳の判らない雷技を使ったりしている。これでは別に「どろろ」の必然性がまったくないではないか。実にもったいない話である。
 見ていて退屈になったので、私はCDコーナーを見て回る。

 そう言えば、キング・クリムゾンの「ザ・コレクターズ・キング・クリムゾンVol.8」の発売はどうなっているのだろう。4月発売が延期となってから、全然音沙汰がない。実はもう発売されてて廃盤になっている、なんて事はないだろうなぁ…。
 発売元であるユニバーサル・インターナショナルのホームページを見ても、その情報はまったく載っていないし、ニュースが去年の来日情報なんだから、まいってしまう。今時の日本では、ロックもマイナーになってしまったのだから、せめて発売元の情報は的確に行って欲しいものだ。
 しかし5枚組10,500円(予定)は、ちと高いぞ。

 なんて思いながら「キ」の次にある「ク」のコーナーを見ていたら(ここはアルファベット順ではない)、クーパー・テンプル・クロースというユニットのCDが目に付いた。ジャケットが妙に気になるのだが、どういうサウンドだか全然判らない。なんでもEPの日本向け特別編集盤らしく1800円と安い。試しに買ってみるかなぁ。
 トゥールはそれで成功した例だし、マジェランやドリーム・シアターも当然ジャケット買いがきっかけだった。やはりジャケット買いというのは意外と成功率が高いのだが、もちろん失敗も20%程度はあるから、まあ物は試し、という事か。

 でも、タチコマ追悼版の「be human」も欲しいぞ。攻殻機動隊SACのサントラも買っていないのだが、どうして日本人のアルバムはこう高いのだろう。とりあえず3000円でなんの文句もなく買えるのは、押井−川井コンビのサントラくらいだろうか。

 近年映画ソフトはDVDが主流になってからというもの、CDよりDVDが安いのは当たり前になってきた。LDの製造原価が高かったのは判るが、CDとDVDでそんなに差が出るものなのだろうか。不思議である。


2004年08月06日(金) 久々の土砂降り

 朝から凄い雨である。
 で、涼しくなるかというとそんな事はなく、蒸し暑いだけだ。そして会社に着く頃にはびしょぬれであった。ふにゅ〜。
 明日は子どんぐりを隣町の映画館まで連れて行かなければならない。ポケモンを見るのだそうだ。私がその時間帯で観られるものはないから、本屋で待っているしかないな。

 さて。
 UFJホールディングスと三井住友信託のトラブルは、情けない。いかにもUFJである。しかしそれに関しての裁判所の命令もどこかおかしい。
 日本におけるこういった合併などのトラブルは、書類ができた段階で潰された事がないので(それ以前に潰される)、銀行側も気にしていなかったようだが、本来こういった違反行為は金銭で解決するものだ。そもそも銀行たるものが、違約条項を設けていなかったというのは、ちょっと信じがたいミスである。
 さらに今回の裁判所での判事は、どうも厳格に法律を適用するタイプらしく、ますます混乱に拍車がかかっている。ちなみにこの判事、あの田中真紀子議員のプライバシー問題で、さっさと差し止めを指示し、各界から総スカンを喰った人物でもある。

 契約書というのはもちろん守られるべきものだが、時と場合によってはそれが破棄される事は、前提事項である。そして大概は金銭での解決を見るのも、世界中のあらゆる業種で常識として定着している。それが社会をスムーズにまわす知恵なのだ。
 それがなぜ銀行だからといって特別扱いするのか、理解に苦しむ。UFJなんて、ボヤボヤしていたら潰れてしまうくらい財務状況は悪いのだ。さっさと和解案を提示させるべき話だろう。そういう社会の実態をまったく理解していない判事に当たると悲惨だという典型的な例になっている訳だ。裁判といえども、運が作用するのである。

 運といえば、今回も小泉首相は運がいい。何がと言えば、橋本元首相の政治資金規正法違反の問題である。
 橋本派は与党内における郵政民営化反対の急先鋒なのだが、参院の選挙ではほとんど橋本派の一人負けという感じで、そこにこの事件である。去年はもう片方の厄介物である野中が消え、今回で邪魔者はほぼ消え去ると見ていい。これは実に素晴らしいタイミングで、裏で何かやっているのではないかと思ってしまうほどだ。今後、話がどんどん進んでしまうのではないだろうか。
 しかしここまで強運の首相というのも、本当に珍しい。戦時だったら独裁者になっていたかもしれない人物だと思ってしまう。

 戦時ではないが、アメリカはテロに対する警報をオレンジにした(オレンジ警報、発令!)。
 かなり詳細なテロの計画書が見つかったからだというが、見つかったなら、それはもう未遂に終わるだろう。それがテロというものだ。
 しかしその詳細な資料の内容があまり日本のマスコミでは取り上げられないが、何故なのだろう。やはり余計な不安を煽るからか?
 でも他の国ではそれなりに情報が伝えられている。少なくとも「攻撃予定の場所の分単位での人の通行量」「あるビルの柱に対する、熱と圧力に対する強度」「それを破壊するに必要な爆薬の種類と量」等が書かれていたという程度の報道はなされているようだ。
 ここまで計算されていたとなると、計画実行の可能性は高くなるが、やはりテロに対する警戒が厳重な中で、爆薬を含めた事前準備は難しいだろう。これがイラク国内ならともかく、今のアメリカ国内で準備するのは、まず無理だ。

 そしてここでも、テロを防ぐには軍ではなく警察組織が必要だという証拠にもなっている。イラクも警察組織が完全に機能しないと、なかなかテロはなくならない。その上で軍への直接攻撃が出来なくなっているから、結果として民間人への無差別テロが増えるのである。
 それでますますテロへの賛同者は減っていくのに…。


2004年08月05日(木) どちらが先か

 昨日あたりから、夜は涼しくなっている、らしい。
 だがアパートは風通しが悪いので、結局夜もエアコンがフル回転である。この辺が一軒家の人には全く判らないらしく、一夏でエアコン使うのは一週間もない、と威張る所以なのである。
 だから会社でも、夜暑くて寝苦しい、と話題にするのはアパート住まいの人間ばかり…。家を持っている人には判らんのですよ。

 ところで。
 山田正紀の「神狩り2」はどうなっているのだろう。最初のアナウンスからかなり経過しているような気がするのだが…。デビュー当時から読んでいる身としては、今さら2〜3年待たされるのは気にならないが、やはりできる事なら早く読みたいものである。

 しかしこういうのを待っていると、そろそろ自分と作家とどちらが先に死ぬのか、という問題が微妙に気になっている自分に気づいてしまう。不謹慎だと言われようが、多分「87分署」シリーズは、私が死ぬ前には最後の2冊は読めるだろうとは思っている。しかし神林長平や板橋しゅうほうあたりの寿命になると、私が後という保証は全くない。
 日本では「ペリー・ローダン」のファンも大変だろう。それこそ死ぬまでにどこまで読めるのか、というレベルである。
 映画でも、どうやら「スター・ウォーズ」は死ぬ前に完結篇が見られそうだ(まあエピソード1以降はどうでも良くなってしまったけれど…)。

 音楽では、キング・クリムゾンはフリップ翁の死とともに解体となるのだろうから、これは最後まで付き合えるだろう。問題なのはどこが最後か、本人が死ぬまで判らないという事ではあるが、70年台前半からずっと付き合って、ライヴで来日したのはすべて見に行っているのだから、もうこちらも意地である。死ぬまで付き合ってやろうではないか。
イエスのメンバーなんかは、まだまだがんばっているが、やはり年齢はそれなりだから自ずと限界があろう。
 だが、ドリーム・シアターやレディオヘッドあたりだと、メンバーは確実に私より若い訳で、まあ解散という可能性はいつでもつきまとうが、私の寿命で最後まで付き合っていけるかどうかは、判らない。

 中島らもではないが、永遠も半ばを過ぎてしまったのだ。


2004年08月04日(水) まだカメラで悩んでいる

 そろそろ夜は涼しくなってきたのに、流石はアパート、風が全く入ってこない。まさか玄関のドアを開けて寝るわけにはいかないし、困ったものである。基本的にアパートの設計者って、無能なのだと思う。

 そんな状態だが、子どんぐりの具合を考えるとあまりエアコンに頼るのも、ちと危険である。良くなってきてはいるが、油断すると簡単に長引く奴だからなぁ。ここで本当に夏風邪でもひかれた日には、お盆の予定はすべて狂うし、そもそも学校の宿題や勉強はどうなるんだ。

 それはともかく。
 先月よりADSL回線にしてから、写真関係のHPが見やすくなった。
 この手のは、まず写真が多いというだけで重いし、プロのカメラマンのだとクオリティも重視するから、とにかく重くなってしまうので、どうしても以前は敬遠していた。
 それでもプロのHPを見るのは、やはり勉強になるからだ。撮影データを見なくても、構図や小道具の使い方、フラッシュの当て方だけでも、目からうろこが落ちまくる。だがそれを簡単に真似出来ないところが悲しいが。

 そして最近は、「カメラはデジタルと銀塩のどちらがいいのか」というテーマも見られるようになってきた。もちろんどちらにも利点と欠点があるから、私のような素人は悩んでしまうのだ。
 写真を勉強する上では、ラティテュードが広い銀塩の方が絶対にいいし、画質だけで言えばまだデジタルはフィルムに追いついていない。
 それでもその場で確認できるというデジタルは、何が悪いのかをすぐに判断できるし、またフラッシュを使用した時の光の周り具合が確認できるのは、最大の利点といえるだろう。そういう意味ではデジタルの方が真面目にやる人にとっては上達が早いかもしれない。ただし、白飛びはデータの消失なので、気をつけないといけないが。

 いずれ時代はデジタルにどんどん傾いているのは明白で、銀塩はいずれマイナーなものになる可能性が高い。それでもプロは、「今はまだ銀塩で勉強する方がいい」という人が多いが、実はこれ、都市部でしか成立しない条件になっている。
 現在の田舎では、デジタルが優勢となると一気にそちらへ傾き、結果として手ごろなフィルムの入手が難しくなっているのだ。さらにラボ自体が少なくなってしまい、簡単に安く上げる事が難しくなってしまう。つまり田舎では、趣味に関しての物価は異様に高いのである。
 もちろん金銭的かつ時間的に余裕のある人はいい。だがそうでない人にとって、この田舎の極端な傾向は、銀塩を諦めざるをえない状況になりつつあると言えるのだ。

 私も現在のEOS55の調子が悪いので、再び630を使っているが、やはり使い勝手のいい最新の機種が欲しい。こうなるとEOS7sを買うか、はたまたすべてを捨て去って、NIKONのD70を買うか、非常に悩んでしまう。
 デジタルはまだいくつか問題があって、特にCCD周辺の汚れ対策が解決しないと安心は出来ないのである。屋外で使用すると簡単に汚れてしまうが、田舎では簡単にメーカーでのクリーニングが出来ないし、そもそもデジカメは銀塩カメラより明らかに耐久性では劣るのだ。

 でもその場で絵を確認できるというのは、非常に大きな魅力である。さて、どうしたもんだろう。


2004年08月03日(火) まだ「ヘルハウス」

 今日も暑いが、会社は経費引き締めなのか、社内の温度が妙に高い。なにせじっとしていても汗が出てくるのだ。皆やる気が失せてしまっている。まったくどうなっているのだろう。

 先日から話題にしている「ヘルハウス」について調べていたら(好きなのだから仕方がない)、『ロバート・ワイズの「たたり」とともに幽霊屋敷ものの傑作として名高いホラー映画の古典だが、ほんとうにそうだろうか?』というセリフがあった。
 当然「ヘルハウス」はつまらないと言っている訳で、まあそれは人それぞれだから別に構わないのだが、ここで問題なのはその論拠が現在の作品と比べている点である。
 つまり、『いまのホラージャパネスクのレベルから眺めれば、そうした恐怖映画の手法はほとんど咀嚼され尽くして、いまや黒沢清や中田秀夫らによって原典よりも効果的に活用されている状況があり、完璧とは言えないまでも「リング」の方が端的に怖いという事実がそれを証明しているだろう。』なんて書いてある。
 だがこれは比較の方法を間違っている。なぜ30年前の作品と最新の作品を比べる必要があるのだろう。そもそも、その古い作品をいまだに超えられないのだったら、はっきり言って日本の映画界は無能の集まりと謗られても仕方がないではないか。
 過去の名作を越えるのが映画を作る人間の義務であり、ホラーに関して方向性は違うが、ある部分では明らかに昔の映画を遥かに超えているのは事実なのだ。

 そして、昔の映画はその時代性を考慮して批評するものである。時代の要望というものも大きいのであり、その時代でしか作れなかった物、あるいはその時代では作れなかった物と様々なのである。純粋に技術の問題もある。作りたくても作れない映像というものも、確かにあったのだ。
 だから、若い人に映画を勧める場合は、その時代性も考慮しなければならないのであり、その上で、純粋に楽しめれば、似た傾向の作品を薦められるし、だめなら別のを薦めればいいのである。

 繰り返すが、昔の作品と現在の作品を比較するのはあまり意味がない。意味があるとすれば、例えばウルトラマンや仮面ライダーのように、明らかに最初の作品を引きずっている作品群の場合、あるいはリメイクのケースだけであろう。
 あとは個人の趣味の問題だけだ。

 ウルトラマンといえば、ウルトラマンネクサスの音楽を川井憲次氏が担当するのだという。あーあ。
 今のウルトラマン、というか円谷プロなんかにはタッチして欲しくなかったが、まあ名前が売れるのは良い事だから、仕方がない。だが版権絡みでとんでもない事に巻き込まれなければいいが…。
 今の円谷プロは腐りきっているので、非常に心配である。

 心配といえば、アメリカでの「劇場版サンダーバード」、初日にしてもうコケ確定らしい。制作費5700万ドルに対して、初日収入270万ドル…、これはきつい。
 でもアメリカではサンダーバードの知名度はゼロに等しいのだから、初めからイギリスと日本だけを相手にすればよかったのだ。シリーズ化なんてバカな事を考えて、アメリカにあわせた低レベルの作品にしてしまったのが敗因だ(あ、これは日本でコケた場合か)。
 アメリカを無視するという戦略で映画を作っていれば、もしかしたらもっといい作品になった可能性もあるのに、残念也。


2004年08月02日(月) 「ヘルハウス」はいいなぁ

 昨日買った王立科学博物館2は、別名を「黒のフロンティア」と言うそうだ。
 実は西日本ヴァージョンは「白のパイオニア」といい、ほとんど別展開している内容である。某巨大オークションなんかで確認すると、少なくとも自分の趣味としては「黒のフロンティア」の方がいい。ただしパッケージは「白のパイオニア」が格段にかっこいい。ライトスタッフのようである。
 しかしこういう、西と東で商品が違うというのも困りものである。まあそこがメーカー、というより岡田斗司夫の狙いどころなのだろう。ヤレヤレ。

 さて、「ヘルハウス」は結局昨夜見てしまった。
 いわゆる「ヘルハウス物」と言われる一本であるが、流石にリチャード・マシスン脚本であり、やはり面白い。ちなみにそもそもの原作がこの人なのである。
 まあこの手の話は、どうもある実話を元に派生していったらしく、似たような題材の映画は多い。昔、この映画を劇場で観た時には未見だったが、「たたり」はほぼ同じような内容である。そしてどちらもよく出来ている。怖さがじわじわとくるのだ。
 これ以後、似たような映画は雨後の竹の子のように発生するが、たいていは「その家に起こる怪奇現象」をメインにしているので、どうもあまり面白くない。結局「悪魔の棲む家」や「ハウス」等のようになってしまう。
 やはりこの手のは、「たたり」と「ヘルハウス」があれば、あとはどうでもいいと思う。前者は「純粋に見えない怖さ」であり(カメラワークだけで怖いのである)、後者は「科学vs超常現象」の雰囲気で、怖さだけではない。

 そして後年、特殊効果の技術がどんどん進歩し、本来表現できなかったものも簡単に作れるようになったのだが、そこで問われるのは監督の抱く映画のイメージであり、幽霊を単に見せるだけではまったく意味がないのである。そこを勘違いした人が非常に多いのもこのジャンルの特徴である。
 特に怪奇映画は、いわゆるショッカーだけに走ると、すぐに飽きられる。「驚かせる」のと「怖がらせる」のは別物なのである。幽霊などが直接描写されなくても、充分怖い映像は可能だ。そういう映画は何度観ても怖い。

 ちなみに「たたり」のリメイクは「ホーンティング」で、やはりアプローチは正反対だ。怖さで勝負したら「たたり」を超えるものは難しい。
 なお勘違いされると困るので書いておくが「たたり」は1963年の作品で、「TATARI」はこれのリメイクではなく「地獄へ続く部屋」のリメイクである。なんだかややこしい…。

 しかしパメラ・フランクリンの演技は、やはりいいなぁ。


2004年08月01日(日) ヘルハウスvsマッシュ

 昨日の弘前は、観測史上二番目に高い気温を記録したそうだ。当然県内は軒並み暑く、さらに当然だが今日も暑い。本当に「熱い」と書きたくなってしまう。
 その暑い弘前へ行く予定だったが、子どんぐりが体調を崩してしまったので、パス。夏風邪のような感じだが、はたしてどうなる事やら。

 待望のDVD「ヘルハウス」は明日発売だが、タワーレコードなら前日には入荷するので捜しに行く。
 予想通り置いてあったが、なんと1枚しかない。そしてこのDVDは「2枚買えば1枚タダ」というキャンペーン商品なので2980円で2枚となる。仕方がないのでもう1枚を悩んだ末に「マッシュ」にする。別に「アビス特別篇」でも「エンティティー」でも構わないのだが、いずれぜひとも欲しいというのは少ないのが難点ではある。もし他に欲しいのがなかったら、どうすればいいのだろう。
 でも「マッシュ」って、4月のキャンペーンで2枚で3980円だったような気が…。ま、DVDの価格なんて有って無きが如しだから、別にいいのか。

 全然関係ない話題だが、サザンのニューシングルが出る、らしい。
 ほとんど興味はないのだが、題名を見てぶっ飛んでしまった。これが「君こそスターだ / 夢に消えたジュリア」なのである。一字違いだが、誰が見たってピンク・フロイドの「夢に消えるジュリア」を連想する曲名だ。いいのか、こういうの。
 元々邦楽は、海外の曲名をそのまま利用して顰蹙を買う事が多い(フレーズをそのまま使うよりはいいのか?)。「長い夜」なんてシカゴの曲だし、「フリークアウト」などザッパのファースト・アルバムである。こういう恐れ多い事を平気でやってしまう感覚が、今ひとつ解せない。
 しかしサザンあたりのビッグネームがあえてここまでやってしまうというからには、何らかの意図があるのだろうか。桑田は決してバカではない。和製ロックというものが何故日本に根付かないのか、という事を徹底して研究した成果が現在にある。当然、フロイドあたりは方法論として研究しただろうし、あの年代なら嫌いではないと思う。
 それだけに、真意を知りたいものだ。

 昼はコンビニで「王立科学博物館」の第二弾を見つけてしまった。
 今回はどんな内容かと箱の後ろを見ると、おおっ、ウェルズ型ともいうべき「タコ型火星人」、フェッセンデンの宇宙を連想する「銀河模型」、本当にこれが入っているのか「発射直前のソユーズロケット」、そしてガンダムファンにも有名な「スペースコロニー」、本当にここまで作りこんでいるのか「ボイジャー」と、ほとんど欲しい物ばかりだ。
 で、まずは3個買ったのだが、とりあえず「タコ型火星人」はゲットした。だが後の2個は「火星&マルス探査機」だった。これはちょっとがっかりかな、と思ったら、火星自体の出来が意外といいし、材質が何なのか、異様に重い。少なくとも外れではなかったので、子どんぐりに一個あげた。

 さて、「ボイジャー」を改造して「ヴィジャー」にするトレッキーはいないのだろうか。



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