西澤保彦的小部屋
案件3*『わーくしぇありんぐ・ぷろぐらむ』


 『転・送・密・室』収録の「神余響子的憂鬱」において、響子はワンランク上の相談員へと就任するに当たり、嗣子とペアを組んで調査行動を行うことになる。

 しかし、この話の前後に、なんというかかなりややこしいウラ事情が生じた。
 物語上では実質的な推理役を担っている推理作家、保科の担当編集者である阿呆(あぼう)梨稀という女性が、なにやら妙な能力を持っているらしく、登場人物たちの記憶を改変する、というアラワザを使った…らしい。

 それによって、保科はじめ嗣子、響子、能解警部その他、彼女の周囲にいる人間たちは軒並み、それぞれの出会いやお互いの情報に関する記憶にリセットをかけられてしまい、なんというか「知ってるはずなのにおぼえていない」「知らないはずのことをよく知っている」という状況が頻出しているのが現況。

 物語の本筋はミステリであるとは言え、登場人物の設定その他、外枠として使われているガジェットが思いっきりSFだというのが「チョーモンイン」シリーズの魅力でもあり、また異端であると言われてもいるわけで。
 この数々の伏線が、先々どういう形で終結していくのか、今から楽しみに待っていたり。

 つーわけで、西澤氏の新作待ちの間に思いついた、やくたいもないネタをいくつか披露してみる。


♪つっくりっましょー つっくりっましょー
さってさってなっにがっ でっきるっかなっ♪
和気アイアイ?
 …ってそれは「あずまんが」だし。しかもアニメバージョンだし。

 チョーモンインシリーズのカバーイラストとカットを担当しておられる水玉画伯は、定期的に「西澤ファンクラブ」のトップページへイラストを寄せてくださいます。お正月、バレンタイン、暑中見舞いにクリスマス、などなど(ファンクラブ内にギャラリーが設けてあります。チョーモンインシリーズのカバーイラストも展示してありますので、ご覧になりたい方はこちらからどうぞ)。

 2001年お正月にトップを飾ったのは、髪をおろし、バラの花束を抱いてピンクハウスふうのワンピースを身につけた洋装嗣子ちゃんでした。
 のち、「念力密室!」のリニューアル版が出たとき、そのワンピースをプレゼントしたのが保科氏の元妻、聡子さんであることが(カバーイラストで)判明したりするわけですが。

 さて、「着物に袴」がトレードマークの嗣子ちゃんの洋装には、なかなかインパクトがありました。
 で、響子ちゃんでそれに対抗できるネタがないかと、ずっと考えていたのですが(考えるなよ…)。

 ある日の新聞に入っていた折込チラシに、そのヒントが乗っていました。
 チラシそのものはミシンの広告で、なんということもなかったのですが、ミシンの画像のそばには、「こんなものも作れますよー」という作例とおぼしきタペストリー。
 赤毛のアン調の、麦わら帽子とワンピースがキルティングされておりました。

 赤いブラウス、赤いロングスカート、黄色のエプロンドレス。

 なんか意味もなく、「これだー!」と思ってしまったのが良かったのか悪かったのか。
 ともかく、それからちまちまとドレスを二着縫い上げて。

 響子のカントリー風エプロンドレスはともかくも、嗣子のピンハ風ドレスは本気でしんどかったです。ギャザーだしレースだしリボンだし、そんでもって必死こいて縫い上げてみたものの、写真撮ってみたら全然反映されてないし。

 …とまあグチをこぼしつつ、衣装からシチュエーションを考える、というアホな企画だったわけですが。
 時おりしも春まっさかり、TVでアニメの放映が始まった「あずまんが」では、ナゾのフレーズが跋扈していたし…というわけで、なにやらソレラの要素が私の中でほどよく醗酵した模様。
4月の魚・遠景

「♪つっくりっましょー つっくりっましょー」
「…あのな、嗣子」
「あー響子ちゃん、その余ったイチゴ食べちゃダメだよ。飾りつけに使うんだから」
「食わねーよ!…いやそうじゃなくてな、なんでオレがこんな手伝いしなきゃいけないんだよ」
「だって、私達『ワークシェアリング』のパートナー同志だし」
「それは仕事上の話だろ?プライベートまで拘束される筋合いはないんだよ!」
「保科先生に『賄賂』を運んで、気持ちよくお話を聞いていただくのも仕事のうちよ」

 『神余響子』の項目でも触れましたが、いろいろな経緯の結果、「ワークシェアリング」という形で(やむなく)嗣子とコンビを組まされることになった響子。
 強気で、立場的にはどう見ても主導権を握っているはずの響子が、ふと気がつくと嗣子のペースにノセられ、すっかり振り回されているという状況が、初登場話の「神余響子的憂鬱」で、すでに発生しているわけで。

 …きっと、こんなやりとりなんかも一部にあったりするんだろうな、とちょと妄想してみました。

「4月の魚(ポワソン・ダブリル)」は、フランスで春に食べられる魚型の苺パイ。
 「パイを持った嗣子」の図は、2002年の春に一時トップページ用画像として使用していました。
ピース


「わーい、記念写真記念写真♪」
「またかよっ!」
コレでも制服

 これはさらに、オマケのオマケ。
 ピンハ嗣子に対抗するネタがないかと色々考えていたとき、ちょうど発売された竹本泉氏の「ぴこぴこのきらきら」。

 どっちかというと『第一でナ○ト』になってるよーな気もするけど、とりあえず気にしない。

 しかし、見れば見るほどアレな服だよなあ…。
 こんなんが制服な女子校って………。



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