娘さんいろいろ
始まりは、カオス
さて。 一般的な認識において、六分の一ワールドというと、いわゆるフィギュアを指すらしい。ソリッドで動かず、服まで一体化してあるアレですな。 実際、原型作家の皆様の作品を見ると、ほんとにたかが粘土でどーしてこんな質感が出せるんだ!と驚愕させられるもんですが。 やはり、コレも一種の幼児体験なんでしょうかねえ。 「手足が動かせて」、「服の着せ替えができる」、いわゆる着せ替え人形の方に惹かれてしまうんですよ。 ソレが嵩じて、服を自作するようになってしまった。 で、付随する小物に関して色々試行錯誤してるうちに、逆に模型の世界にちょっと踏み込んでしまった、と。 ヒソカに私が師と仰ぐ水玉螢之丞画伯は、ソレを「模型の世界にもドールハウスの世界にも住めない少数派」と称していらっしゃいます。 ちなみに私は、ノーマルのジェ○ーや×カちゃんの、あの「曲げると曲線になり、もっと曲げると関節部分がつぶれる」手足がどーにも苦手でして。きちんと関節がついたスーパーアク×ョンジ○ニーが製品化されたことで泥沼にハマり、ボークスから出たフル稼働タイプの「エクセレント」シリーズによってとどめをさされた、という感じです。 最近は、線の細い少年タイプ以外にも、ごっつい成人男子タイプの素体などもラインナップに加わり、いよいよ守備範囲が広がった、といったところですか。 …問題は、そのドールのほとんどが漫画や小説に出てくるキャラである、という点にありそうですが…これもまあ、ある種のキャラ萌えでありましょう。 ほいでもってまあ、いきなりアレなところから始まるのですが。 |
中華まんいかがっすかぁ |
撮影は2001年後半ですが、このドールの製作は前世紀。 1998年初頭、私はセガサターンのゲーム「仙窟活龍大戦 カオスシード」というソフトにハマっておりました。 ほぼ中古オンリーの人間が、珍しく予約までして発売日に買ったソフトです(ゲームの詳細についてはこちら)。 そしてほぼ同時期。某ムックを読んだのがきっかけで、多関節のフルアクションドールというものが存在し、ソレに色々と加工を施して自分だけの「キャラドール」を作る人というものが、この世にはいっぱいいる、ということを知りました。 さらに時期を同じく。私の住んでいる地区に、新しいショッピングセンターがオープンしました。 オープン直後ということで、あれこれ特価品などが用意されていたワケですが、その玩具売り場において。某ジェ○ーシリーズのフルアクションドール(洋服つき)が、格安で売られていたのでした。 さて、以上の要素から導き出された結論のひとつが…コレ、というわけで。 「カオスシード」のヒロイン。 このゲームでは、主人公とヒロインの名前はプレイヤーが入力することになっているので、基本的に名無しさんです。 ただ、セガサターン版では、声優の丹下桜さんがヒロインの声を担当していらっしゃったので、「さくら」という名前をつけたプレイヤーが多かったとか。…世界観は思いっきり中華なんですけどね。 |
肉まんおよび桃まんは、ゲームの中では進行に欠かせない、重要アイテムです(コレがなかったら、戦闘中の体力回復が辛い…)。 ヒロインは、主人公に危ないところを救われたのがきっかけで、龍と主人公が繰り広げる厄介な因果の渦に巻き込まれてしまうという、難儀な役回り。 シナリオの展開によっては主人公に殺されてしまったり、帰らぬ主人公を永遠に待ちつづけたりという、なかなかに報われない目にあったりも。 両親を早くに失い、弟と二人暮しをしていたけど、出世を目指す弟が家を出て行方知れずになったため、天涯孤独の身の上に(いずれその弟がストーリーに絡んでくるかと思ったけど、結局出てこなかったなあ)。 得意技・料理、属性・健気。 いろいろな経緯で人々から排斥されている「洞仙」という身分である主人公に偏見なく接し、周囲の誤解を解こうと努力する娘さん。 主人公が恋愛方面に鈍いため、一人でヤキモキしているサマがまた可愛いのでありました。 スーパーアクションジェニーの「ナオミ」をそのまま使用しております。 |
可愛い顔して… |
そして、彼女の次に作ったのがこちら、同じく「カオスシード」に登場する、林玲蘭(リン・レイラン)です。 職業・賞金稼ぎ。属性・守銭奴。 ハカナゲな容姿にしてしたたかな魔道士、そしてムチャクチャ金に汚いという。 ゲーム内では主人公たちに協力することも敵対することもある娘さんですが、いずれにしろ目当ては儲け話&洞窟内のお宝。 前述したとおり、「カオスシード」登場人物のネーミングや世界観は中華ふうでして、この娘さんなんかはモロにソレなんですが…いかんせん、作り手(私のことです)には、和服以上に、中華な衣装の知識がありません。 当時はインターネットもまだまだわが王国には上陸してない頃でしたし、チビどんぐりは幼稚園児とあって、ほいほい調べ物ができる状況ではありませんでした(と努力しない言い訳)。 よって、この衣装は純粋に「キャラクター設定書」だけを見て、「見た目だけソレっぽく」作ったシロモノです。 どうか、ここんとこは間違ってる、とかツッコミを入れないで下さい(弱気)。 いや、この娘性格が悪いもんで、もうこれ以上イジりたくないという、かなりしょーもない理由なんですが。 これもまた、スーパーアクションジェニーの「フローラ」をそのまま使用。 …まあこういう衣装になると、ボディはほとんどナニ使ってても一緒ですが。 |
…なんですかー? |
もう一人。 やはり主人公と敵対する立場にある、「西方から来た魔法剣士様ご一行」の紅一点、シャスタ・ホルス嬢。 リーダー格の魔法剣士、裏設定によると古代に生まれた人造戦闘人間であるアレックス・ホルスの一人娘。 職業・魔法使い、属性・天然ボケ(含む方向音痴)。 ソフトのオマケディスクで父・アレックスが語ったところによると、容姿はアレックスの亡き妻に生き写しなんだとか。…容姿「は」、と強調しているような気がしたのは…気のせいでしょうか。 ちなみに、このお肌もあらわな派手派手コスチュームもまた、アレックスの趣味なんだそうで…こんなん着てて全然気にしない、というあたり、やはり天然なお嬢さんでいらっしゃる。 ゲームの進行によって、主人公の敵になることも、味方になることも…っつーか、場合によっては同じパーティ内の生真面目な聖騎士、黒き剣士ケブレスと真正面から闘っちゃうことになったりもします。 しかし、常日頃疑問に思うのですが。 「闘うとすごく強い」という設定のキャラが、性格的にはホエホエの天然さんだったりした場合、なにやらいらんことを心配をしてしまったり。 シャスタ嬢はとにかく「ぽーーーーーー」としておられる方で、当然ながら、しゃべりかたなどもかなりトローっとしていらっしゃる(声は声優の住友優子さん)。 …戦闘中に呪文間違えたり、詠唱がトロすぎて間に合わないとか、そゆことはないのでしょうか。 ボディラインが顕わになる衣装だということもあり、スーパーアクションジェニー「エリー」のヘッドをボークスのエクレセントシリーズ(巨乳タイプ)へ移植してます。 ところで、2001年になって、ボークスのエクセレントシリーズに、「剛」というごっつい男性型の素体がお目見えしました。 優男で、(あくまでも見た目だけで言えば)華奢な体格のアレックスと、体型も性格も武骨そのものな剣士ケブレス。 この二体を作れば、魔法剣士パーティが完成するのですが(本当は、アレックスは最終形態にしたいところですが…ソレやるとネタバレになるからなあ)。 問題は…剣士ケブレスの持つ「黒い剣」。…自作するしかないかなあ。 ああ、「かってに改造」に出てきた、『六分の一ドラゴンころし』が実在すれば! |
負けませんよ |
これは、娘さんではないのですが。 アレックスと同じ古代文明の生き残りである、謎の賢者にして強力な魔道士、王蒼幻(わん・そうげん)。 古代に作り出されたというアレックスは、過去にあったらしい戦いのあとずっと長い間眠りについていて、ゲーム時間内でのごく最近覚醒した、という設定になっているのですが。 彼、蒼幻は、自らの記憶を保ったまま幾度も転生を繰り返すことで、古代からずっと生きつづけてきたのだそうです(このへんも裏設定らしいということで)。 このゲームのキャラクター・デザインをやった船戸明里さんのマンガ、「LUNAR-ヴェーン飛空船物語-」を読んだ時にも思ったのですが、どうも私は船戸さんの描く、「心は大人で体は少年」というキャラクターがどえらくツボなようです。 蒼幻というキャラクター、見た目は少年で可愛らしいのですが、性格はむちゃくちゃ冷徹で達観しています。…まあ何千年という単位で、人々の生死のさまを眺めてきたという背景ゆえのことですが。 ニコニコ笑って、「あなたが生きていると多くの人に害を及ぼしますから、ここで死んでもらいます」などというセリフをサラッと言ってしまう、そんなキャラ。 ゲームの進行具合によって、敵にも味方にも…ってもうええっちゅうねん。 中盤、「土功の怪」というシナリオでは、彼の協力なしではハッピーエンドは望めません。 ちょうどこのSS版「カオスシード」が発売されたころ、セーラームーンやらレイアースやらのかげで、「スーパードールリカちゃん」というムーブメントがありました。 ジェニーとはまた別の方向で、フルアクションドールの流れを…作ろうとして途絶えた、という感じでしたが、発売されたドールのできはなかなかでした。 その中の一体、「ドールナイトイサム」を使用しています。 ヘッドが髪まで成型されているタイプなので、髪型が合っていないのはご愛嬌(本当の蒼幻は、オデコが隠れるオカッパヘアーです)。 同じシリーズの「ドールナイトイヅミ」を使えば、主人公に敵対する雷漢将軍の部下、東天転(とう・てんてん)も作れるんですが…この娘の衣装は、白地の全面に細かい刺繍が施されているというとんでもないしろものでして、自作できる見込みがないので見送りました…。 同様に、コレだけハマったゲームであるにも関わらず、肝心の主人公の人形がないのは…ゲーム画面を見ても設定資料集を見ても、着ているものがどうなっているのかさっぱりわからなかったためです(涙)。 |